Home > トピックス一覧 > 中村又五郎が紫綬褒章を受章

トピックス

中村又五郎が紫綬褒章を受章


 平成二十六年秋の褒章受章者が発表になり、中村又五郎が紫綬褒章を受章することが決定しました。

【中村又五郎】
 この度、勿体なくも紫綬褒章をいただくことになりました。お話を伺って、まず、子どもの頃からお世話になったおじ様方、今まで教えを被った先輩方への感謝の気持ち、そして祖母がいたら喜んだろうな、母が生きていたら喜んだろうなという思いが浮かんで参りました。本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。
 又五郎という大きなお名前を襲名させていただいてからの4年間、都市での公演に加え、各地の劇場、巡業など様々な場所で襲名を披露させていただきました。こうしてお名前を襲名し、大きなお役を勉強させていただいたことが受章に繋がったのだと思います。近々、先代の又五郎のお兄様のお墓にもご報告にあがりたいと思っています。

 印象に強く残っているのは、先だってお亡くなりになった十八世中村勘三郎さんと、十代の頃に歌舞伎座で良く踊りを踊らせていただいたことや、襲名を二度させていただいたこと、などでしょうか。子役の頃でいうと、十七世中村勘三郎のおじさんが厳しかったことや、成駒屋(六世中村歌右衛門)のおじさんの舞台で子供ながらに緊張した思い出でがあります。また、亡くなりました萬屋錦之介のおじが「見ているお客様は、その日をご覧になるわけだから、その日、その日の舞台を真摯に勤めなくてはいけない」とよく言っていたのが忘れられません。

 歌舞伎大好き人間としては、どんなお役にも挑戦していきたいですし、今まで勤めてきたどのお役も何度も勤めさせていただき、回を重ねながら進歩していきたいなと思っております。これからは、播磨屋の一員として、吉右衛門のお兄さんに指導を仰ぎながら、播磨屋の芸というものに向かって進んでいきたいと思っています。本当に「歌舞伎の家に産んでくれてありがとう!」という気持ちで一杯です(笑)。