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愛之助が意気込みを披露~平成26年度松竹大歌舞伎(秋季巡業)


11月12日(水)から始まる「 平成26年度 松竹大歌舞伎」(秋季巡業)。演目は義太夫狂言の名作『彦山権現誓助剱』から毛谷村六助の仇討ちの出立までを描いた「杉坂墓所」と「毛谷村」の場、そして息の合った団子売りの夫婦がほのぼのとした踊りを見せる人気の舞踊『団子売』。公演に先立ち製作発表が行われ、片岡愛之助が意気込みを語りました。

【片岡愛之助】
 初めて巡業で座頭を勤めさせていただきます。「毛谷村」では六助を勤めますが、前回勤めた折に「芝居は観るのと勤めるのは全く違う」と痛感したお役です。その時は、おじの我當が、十三世仁左衛門のやり方を手とり足とり教えてくださいました。今回もほとんどその通りに勤めるつもりですが、おじは六助ほどの人物が微塵弾正ごときにはやられないと、眉間にある傷をつけませんが、今回はその傷をつけてやってみようかなと思っています。そういうことを少しずつ試しながら、自分にあった六助を探してみたいと思っています。
 また、今回「杉坂墓所」を付けさせていただきました。それまでの流れがあると感情移入もできますし、六助のやさしさ、器の大きさなども一層感じ取れて、初めてご覧になられる方にもよくわかっていただけるようになると思います。

 『団子売』でご一緒する壱太郎さんは赤ちゃんの頃からみていて、子役の頃もとても素敵で・・・と思っていたら、いつの間にか大きくなられて一緒に芝居をするようになって、自分の奥さんの妹の役から、奥さんの役へ、最近では自分のお母さんまで勤めてくれます(笑)。山城屋(四代目坂田藤十郎)のおじさんにも、翫雀兄さんにも似ているところがあったり、そういう意味で本当に“血”の凄さを感じますし、一緒の舞台に立つことに幸せを感じています。特に『団子売』という舞踊は、そうした雰囲気が大事ですから今からとても楽しみにしています。

 最近は歌舞伎以外の仕事も多いのですが、歌舞伎に戻ってくると、何か実家に帰ってきたように落ち着きますし、そういう時に、ああ歌舞伎って凄い、歌舞伎役者で良かったと改めて感じます。海老蔵さんの勧めもあってブログをはじめさせていただきましたが、歌舞伎ではないお芝居やテレビを見て、それをきっかけに「歌舞伎を観たことがなかったけれど、敷居がそんなに高く感じなくなったから観に行ってきました」とか「初めて観ましたが、こんなに楽しかったんですね」というメッセージをたくさんいただいています。自分が他のメディアに出ることで、歌舞伎に来てくださっている方がこんなに多いんだと、凄く嬉しく思っております。