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新橋演舞場11月公演『さらば八月の大地』勘九郎が意気込みを披露!


11月1日(金)から25日(月)、新橋演舞場では『 さらば八月の大地』が上演されます。
演出は日本を代表する映画監督であり、近年は舞台にも活躍の場を広げる山田洋次。脚本は『焼肉ドラゴン』など話題作を生み出している気鋭の劇作家 鄭義信。初めてタッグを組む2人の作品の舞台は、太平洋戦争中の満州映画協会撮影所。戦争の混乱の中でも、国境を超えた絆で映画に夢をかけた人々を、重厚かつ壮大なスケールで描き出します。
公演に先立ち製作発表記者会見が行なわれ、演出の山田洋次、脚本の鄭義信、この作品が襲名後初の歌舞伎以外の舞台出演となる中村勘九郎、今井翼、檀れい、木場勝己ら出演者が舞台への思いを語りました。

【山田洋次(演出)】
満映(満州映画協会)を舞台にしたドラマをという提案をしてもらったとき、巡り合わせを感じるとともに、とてもワクワクしました。私が小学校1年か2年生の頃、当時私は満州におりましたが、父親が自慢げに李香蘭と一緒に写っている写真をみせてくれた事がありました。父は満鉄(南満州鉄道株式会社)に勤めていて、客車を映画の撮影用に貸したということらしいのですが、今でも良く覚えています。
やがて私は日本に引きあげ、大学を卒業して松竹の撮影所に入ることになるのですが、そこにはまだ沢山の満映帰りのスタッフの方もいらして、多分あの時代の撮影所と、満映の撮影所の雰囲気は、とても似ていたんじゃないかと思います。あの頃の僕の青春時代を想起しつつ、日本の戦争と敗戦という重い歴史を鎮めるようにして、この作品を創り上げていきたいな、そんなことを考えております。

【鄭義信(脚本)】
私は松竹の大船撮影所で美術助手をしていましたが、その頃すでに山田監督は雲の上の人でしたから、こういう形でお会いすることが出来て、また監督がこの作品をやりましょうと言ってくださった事をとても嬉しく思っています。満映で働いていた映画人たちにも青春や色々な人生があったこと、そして戦争が終り様々な苦難を乗り越えても、映画というもので人々が結び合うことができることを描きたいと思っています。素晴らしい俳優の方々に出演していただくこの作品を、多くの方に見ていただけるよう願っております。

【中村勘九郎】
山田洋次監督と鄭義信さんと一緒にお芝居が出来ると聞き、興奮すると同時にとても光栄に思っています。私は今31歳ですが、私達の世代も知らなくてはいけない時代が舞台になっています。満州で青春時代を過ごした山田洋次監督のもとでその時代を描くことができるのは、役者としてとても光栄です。撮影所や当時の雰囲気というものを教えていただきながら、私の身体を使って表現できたら良いなと思います。皆さまの心を揺さぶる素敵な舞台にしたいと思っています。

【今井翼】
勘九郎さんとは同い年ですし、お父様(十八世中村勘三郎)にも大変お世話になり、また弟の中村七之助さんや奥様(前田愛)とも共演させていただいたことがあって縁を感じています。また、私の父が檀れいさんの大ファンで共演をとても喜んでくれています(笑)。山田監督のもとでお芝居ができるのはとてもありがたい事ですし、今回初めて関西人を演じるのでその役にはまるように、また、時代背景などもしっかり勉強し、このお芝居で皆さまを「おもてなし」したいと思っています。

【檀れい】
私は山田監督の『武士の一分』という映画で芸能界にデビューさせていただきました。その監督の舞台ということでとても緊張しています。勘九郎さんとは、何年か前にドラマでご一緒させていただきましたが、回想シーンの私の父親役ということで全くお会いすることができませんでした。今回やっとお芝居でご一緒にできるのでとても楽しみです。すばらしい脚本と、すてきなキャストの皆さまとともに、良い作品を作っていきたいと思います。

【木場勝己】
アングラや小劇場から始めまして45年が経ちましたが、新橋演舞場には初めて出演させていただきます。子どもの頃に親父に手を引かれて新派の舞台を観に来ておりましたが、その舞台に初めて立たせていただくことをとても光栄に思っています。その親父はもう亡くなっておりますけれども、親父そして私の姉まで満州におり、引きあげの体験者です。その親父に舞台を見せたかったなと今は思っています。